オルクスに少し風変わりなエフェクトがあります。《奈落の法則》は判定のクリティカル値を+1するという、クリティカル値が判定に大きく影響を及ぼすダブルクロスでは一見強力なデバフのように感じるはずです。
実際当たれば強力なのでしょうが、問題はその対象と射程。範囲であり至近です。しかもただの範囲、選択できません。つまり初っ端に打つと大体味方にフルヒットします。何という利敵行為、ただでは使えません。
一般的な解決方法としては味方に移動エフェクトを使ってもらうというものです。具体的には《ファンアウト》ですが、事前に話し合って持ってきてもらわなければいけません。しかも所詮ただのデバフ、なるべく早く敵を全滅させることに重きを置かれがちなダブルクロスにおいてはあまり歓迎される行為とはいえないのも向かい風。
それならばせめて自力で対象を変更できるようにしておけば少なくとも他人の構成に負担をかけることはなくなります。解決方法として、一つは《幻想の色彩》による射程変更です。《原初の黄》による取得前提ですが、敵のエンゲージを指定すれば問題は解決します。
もう一つは《タブレット》《多重生成》です。ソラリスのエフェクトを組み合わせる必要がありますが、これにより《奈落の法則》も射程視界で複数体を対象に取れるようになります。エフェクトは嵩みますが対象の取り方はこちらの方が自由度が高いはずです。今回は後者の方法で作成してみました。
ブラックドッグ/オルクス/ソラリス
能力値2322
Dロイス:業師
エフェクト
《奈落の法則》Lv2
《攻撃誘導》Lv1
《マグネットジェイル》Lv1
《タブレット》Lv2
《多重生成》Lv2
《支配の領域》Lv2
《スモールワールド》Lv2
《緊急蘇生》Lv1
《奈落の法則》を《多重生成》するには最低限ソラリスのセットアップのエフェクトを組み合わせる必要があります。選択肢はそう多くないので最も有効そうなデバフの《攻撃誘導》を採用しました。自身が対象に含まれなければダイスペナルティを課すことができます。さすがにこれだけでは《多重生成》まで取得した意味が薄いので、さらに切り札として《マグネットジェイル》を組み合わせることで行動値を0にしてしまいます。ここまでデバフをかければ相当敵とGMは苦しむと思います。
さらなるデバフとしてオルクスから《支配の領域》と《スモールワールド》を採用しています。判定にさらに圧力をかけることが可能で、ハマれば強力です。
作成しておいてなんですが、多分そんなに強力ではないと思います。どちらかというと《マグネットジェイル》による先攻取得に意義を見出すことになるかと。デバフは結局のところGMが用意した敵のデータ次第なので、対策されていても泣かないことが大事です。こういった回りくどいことをせずとも一発で攻撃を止められる《時の棺》のようなエフェクトが強いとされるのがこのビルドを通して伝わるかもしれません。
カスタムとしては思い切って《リフレックス》による回避も視野に入れたいところ。Dロイス:遺産継承者から《海鳴の石板》を取得してさらに達成値にペナルティをかけてしまうのもありかもしれませんね。
メジャーアクションがフリーなのでさらにデバフをかけるかシンプルにダメージを出すかは好みでやってみましょう。個人的にはデバフを重ねるのが徹底していて好みです。